Social Distanceは、グローバルのAI企業、コンシューマーブランド、メーカーに対し、日本市場の理解から、信頼形成、チャネル設計、実行、改善までを一気通貫で支援します。
日本市場への参入と成長について、よく聞かれること。
日本市場に参入するとき、最初にやるべきことは何ですか?
多くの企業は、日本市場への参入を決めると、まず翻訳、SNSアカウントの開設、代理店探し、広告出稿から始めます。
ただ、本当の最初の問いはそこではありません。
日本で、なぜ誰かがあなたのプロダクトを選ぶのか。
まず確認すべきなのは、少なくとも次のようなことです。
最初に使う可能性が高いのは誰か。
その人は今、何で同じ問題を解決しているのか。
なぜ、まだあなたのようなプロダクトを選んでいないのか。
何を見て、何を体験すれば、試してもいいと思えるのか。
グローバルで証明された価値そのものが、日本で通用しないとは限りません。
変わりやすいのは、その価値をどう理解し、何と比較し、どの段階で信頼するかです。
だから私たちは、最初から「広告予算をいくらにするか」とは考えません。
競合分析、ユーザーインタビュー、コミュニティ観察、小規模なコンテンツ検証やプロダクト調査などを通じて、まず3つを見ます。
誰が最初に使う可能性が高いか。
どの障壁から解くべきか。
何が起きたら、次の投資に進むべきか。
日本市場で最も大きな無駄は、動きが遅いことではありません。
方向がまだ正しいと分かっていないのに、実行だけを拡大することです。
日本市場では、代理店・支援会社・外部パートナー・現地チームのどれを選ぶべきですか?
「どれが一番いいか」を考える前に、見るべきことがあります。
まだ答えが出ていない重要な問いが、いくつ残っているか。
依頼内容がすでに明確なら、専門の支援会社や外部パートナーが最も効率的です。
例えば、コンテンツ制作、クリエイター施策、ユーザー調査、広告運用などです。
販売や流通が中心なら、日本の代理店や販売パートナーの方が適していることもあります。
一方で、
どのユーザーから狙うべきか
どの表現が日本で伝わるのか
プロダクトのどこを変えるべきか
コンテンツ、コミュニティ、クリエイターをどう連動させるか
ユーザーの反応をどうプロダクト判断へ戻すか
まで決まっていないなら、問題は「誰に作業を頼むか」ではありません。
その不確実性を、誰が引き受けるかです。
この段階では、単一の支援会社よりも、判断と実行をつなげられる日本の現地チームが必要になります。
実際、成熟した日本市場の推進体制は、代理店か、支援会社か、現地チームかという三択ではありません。
まず、誰が全体の判断と結果に責任を持つかを決める。
そのうえで、必要な代理店、専門会社、販売パートナーを組み合わせる。
失敗するプロジェクトの多くは、関係者の能力が低いわけではありません。
全員が自分の仕事を持っているのに、誰も問題全体を持っていない。そこが問題です。
信頼できる日本市場の支援会社やパートナーは、どう見極めればいいですか?
「プロフェッショナルに見えること」と、「本当に問題を解けること」は同じではありません。
大企業のロゴ、きれいな事例、完成度の高い提案資料、専門用語。それだけでは、自社に合う日本市場のパートナーかどうかは判断できません。
私たちは、主に5つを見ます。
1つ目。最初に質問をするか、最初に商品を売るか。
プロダクトもユーザーも目的も理解していない段階で、すでに正解が決まっているなら、売られているのは解決策ではなくパッケージかもしれません。
2つ目。実際に仕事をするのは誰か。
提案する人、窓口になる人、実務を動かす人は同じでしょうか。多くの案件では、戦略そのものより、引き継ぎのたびに文脈が失われることが問題になります。
3つ目。本当にユーザーの近くにいたことがあるか。
「日本市場を知っている」ことと、実際にユーザーを観察し、話を聞き、コミュニティを運営し、市場の反応に向き合ったことは違います。
4つ目。結果が悪かったとき、何をするか。
信頼できるパートナーは、納品して終わりません。何が外れたのか。どの仮説が否定されたのか。次に何を変えるべきか。そこまで説明できます。
5つ目。誰が前に進める権限を持っているか。
すべての判断が、本社、上司、別の支援会社の承認待ちなら、全員が忙しい、でも何も前に進まないという状態になります。
簡単な見分け方があります。同じ実際の課題を、複数の候補に投げてみることです。
すぐに答えを売り始める会社と、まず問いそのものを見直す会社に分かれます。
優れた日本市場のパートナーは、最も早く提案書を出す会社とは限りません。
ただ、あなたがそもそも何を問い間違えているのかを、最も早く見つけることがあります。
日本でマーケティングやプロモーションをするなら、誰に頼むべきですか?
多くの企業は、日本でのマーケティングを「流入を増やす問題」と考えます。
でも、実際のボトルネックはそこではないことが多いです。
誰も知らない状態と、知っているけれど信じてもらえない状態は、まったく別の問題です。
例えば、
知られていない。
広告、PR、コンテンツ配信が必要かもしれません。
知られているが、信頼されていない。
第三者評価、クリエイター、ユーザーの声、メディア、実績の方が重要かもしれません。
興味はあるが、始め方が分からない。
問題は説明、オンボーディング、価格、最初の利用導線かもしれません。
使い始めたが、残らない。
さらに集客を増やすと、離脱を拡大するだけかもしれません。問題はプロダクト体験、コミュニティ、コンテンツ、継続運営にある可能性があります。
だから「日本でのマーケティングを誰に頼むか」の前に、先に判断したいことがあります。
足りないのは、認知なのか。信頼なのか。転換なのか。継続なのか。
日本市場でよくある誤診は、すべてを「露出不足」で説明することです。
広告費は増える。インプレッションも増える。でも、事業は強くならない。
良い日本市場マーケティングは、より多くの人をプロダクトの前に連れてくることではありません。
まず、ユーザーがどこで止まっているのか。そこを見つけることです。
海外企業は日本市場にどう参入すべきですか?
海外企業が日本市場に入るとき、2つの極端に振れがちです。
ひとつは、日本は特殊だから、全部作り直す必要がある。
もうひとつは、他国で成功したのだから、そのまま再現できる。
どちらも、多くの場合は正しくありません。
本当に難しいのは、何をそのまま使えて、何を日本で検証し直すべきかを分けることです。
まずは広げるより、絞ります。
「日本市場全体」を取りにいくのではなく、最初に成功する可能性が高いユーザー、利用シーン、進入経路をひとつ選ぶ。
次に、そのユーザーがどう意思決定しているのかを見る。
どこで知るのか。
何と比較するのか。
何を信頼するのか。
どこで迷うのか。
何があれば使い始めるのか。
その後で、価値の伝え方、ローカライズ、価格、オンボーディング、コンテンツ、コミュニティ、チャネルを調整する。
そして、実際のユーザー行動が方向の正しさを示してから投資を拡大する。
グローバル企業の強みは、規模だけではありません。早く学び、早く変えられることです。
ただし、日本市場の反応が本社のプロダクトやグロース判断まで戻らないなら、その強みは使えません。
現地チームが実行しかできず、すべての判断を本社が持つと、「ローカライズ」は簡単に「翻訳」に戻ります。
日本で成功するために、すべての企業が日本企業になる必要はありません。
ただ、ほとんどの企業は、日本のユーザーがどう意思決定するのかを、もう一度学び直す必要があります。
AI企業が日本進出で最も陥りやすい失敗は何ですか?
問題は、機能が少ないことではありません。
企業は何度も、このAIには何ができるかを説明します。
でも、ユーザーが本当に考えているのは、実際の仕事を任せても大丈夫かです。
この2つは違います。
日本でAIプロダクトが採用されるかどうかは、かなり具体的なことに左右されます。
出力は安定しているか
間違えたときにどうなるか
データはどう扱われるか
今の業務フローに入るか
既存ツールと共存できるか
最初の利用で、どれだけ早く価値を感じられるか
だから、AI企業の日本進出に必要なのは、言語のローカライズだけではありません。
再検証すべきなのは、利用シーン、信頼のハードル、オンボーディング、価格、業務フロー、そして「最初の成功体験」がどこで起きるか。
もうひとつ、AIのユーザーリサーチでよくある失敗があります。
好きですか。
使いたいですか。
どんな機能が欲しいですか。
こうした質問は、意見は集められます。でも、意思決定にはつながりにくい。
本当に知りたいのは、
どこで迷ったのか。
なぜ止めたのか。
何があれば判断を変えるのか。
どの問題をプロダクトの優先順位に入れるべきか。
AIプロダクトの本当の日本向けローカライズは、日本語を自然にすることではありません。
日本のユーザーが、なぜ、今これを使い始めるのか。その答えを見つけやすくすることです。
ゲーム会社が日本市場で見落としやすいことは何ですか?
日本市場への展開を、翻訳する、KOLや配信者に依頼する、ローンチ施策を打つ、あとは成長を待つ、という流れで考えるゲーム会社は少なくありません。
ただ、日本のプレイヤーがゲームを評価するとき、公式発信だけを見ているわけではありません。
コミュニティの空気。
クリエイターのコンテンツ。
他のプレイヤーの評価。
友人の反応。
アップデート。
長期運営。
すべてが影響します。
だから難しいのは、一度注目を集めることではありません。
反応が次の行動に戻ってくる仕組みを作ることです。
プレイヤーは今、何を話しているのか。
何が継続率や評判を落としているのか。
どのコンテンツがコミュニティによって自発的に広がるのか。
誰が本当にコアプレイヤーへ影響しているのか。
何を運営で解き、何をプロダクトへ戻すべきか。
多くのチームは、すでに大量のユーザーフィードバックを持っています。
でも、それは週報、舆情レポート、議事録の中に残ったままです。
問題は、プレイヤーの声を聞いていないことではありません。
聞いたあとに、何も変わらないことです。
日本のゲーム市場では、SNS、コミュニティ、クリエイター施策、運営、プロダクトが別々の線として動くべきではありません。
より強い構造は、
ユーザーの反応がインサイトになる。
インサイトがコンテンツと運営を変える。
重要な問題はプロダクト判断へ入る。
その変化が、再びコミュニティで検証される。
本当に強い日本市場運営は、「日本のプレイヤーをよく理解している」ことだけではありません。
プレイヤーの反応によって、次に何をするかが本当に変わることです。